基礎 · 読了まで19分

テスターの使い方:電圧、電流、抵抗、導通

テスター(マルチメーター)の使い方。レンジの選び方、直流・交流電圧、直列での電流測定、抵抗、導通、ダイオードとトランジスタのテスト、Arduinoのトラブルシューティングを解説します。

テスターの使い方を一言でいうと、こうなります。黒のテスト棒は常にCOMの端子に、赤のテスト棒は測りたいものに合った端子に挿し、ロータリースイッチを適切なレンジに合わせ、電圧を測るときは部品と並列に、電流を測るときは回路と直列にテスト棒を当てます。テスター(マルチメーター)は1台で電圧(ボルト)、電流(アンペア)、抵抗(オーム)を測れる道具で、電子工作を始める人が最初に買うべきツールです。Arduino、ESP32、Raspberry Pi Picoで作った回路が思ったとおりに動かないとき、問題がコードにあるのか配線にあるのかを見分ける方法は、測ることしかありません。

このガイドでは、テスターのレンジと端子を知り、直流と交流の電圧の測り方、電流を測るためにテスターを直列に入れる方法と10A端子の用途、抵抗と導通(ブザー)のテスト、ダイオードとトランジスタのテストをステップごとに学びます。続いて、ジャンパーワイヤーの断線、ブレッドボードの接触不良、弱った電池など、Arduinoのプロジェクトで最もよくある故障の突き止め方を、ピンをテストする短いスケッチや、自分とテスターの両方を守る安全のルールと一緒に紹介します。

テスト棒付きのデジタルテスター
デジタルテスター:中央のロータリースイッチでレンジを選び、赤と黒のテスト棒を下の端子に挿すと、画面に値が単位付きで表示されます。

テスターとは?何を測れる?

マルチメーターという名前のとおり、テスターは複数の測定器を1つにまとめたものです。電圧計、電流計、抵抗計です。現在使われているテスターはほぼすべてデジタルです。ゆっくり変わる値を見るのにアナログの針式も今なお愛用されていますが、初心者にはデジタルテスターのほうが読みやすいでしょう。デジタルテスターの分解能はカウントで表されます。2000カウント(3½桁)のテスターは最大1999まで、6000カウントのモデルは5999まで表示できます。実際には、2000カウントのテスターは20 Vレンジで5 Vを5.00 Vと表示し、6000カウントのテスターは6 Vレンジで5.000 Vと表示します。測れる量は前面パネルに記号で示されています。

記号測るものArduinoでの主な用途
V⎓(直線の付いたV)直流電圧5Vピンと3.3Vピン、電池、ACアダプター、センサーの出力
V~(波の付いたV)交流電圧トランスの出力。商用電源は訓練を受けた人のみ
A⎓、mA、µA直流電流LED、モーター、ボードが消費する電流
Ω抵抗抵抗、ポテンショメーター、LDR、NTC
ダイオードの記号(三角形と棒)ダイオードの順方向電圧ダイオード、LED、トランジスタの接合部
音波の記号導通(ブザー)断線、ショート、ブレッドボードのレール
hFEトランジスタの増幅率BC547や2N2222のような小型トランジスタ
F(コンデンサの記号)静電容量電解コンデンサとセラミックコンデンサ

端子、ボタン、レンジの選び方

端子・ボタン役割注意点
COM黒のテスト棒の端子。どの測定でも共通(マイナス)側黒のテスト棒はこの端子から抜かない
VΩ(モデルによってはVΩmA)赤のテスト棒の通常の位置。電圧、抵抗、ダイオード、導通ほとんどの測定はこの端子で行う
mA / µA小さな電流用の独立した端子(モデルによってはVΩと共用)通常は200〜500 mAのヒューズが入っている
10A(または20A)大きな電流:モーター、ポンプ、LEDテープ安いモデルではヒューズがないことがある。短時間だけ使う
HOLD画面の値を固定するテスト棒を離したあとで値を読むため
REL(Δ)現在の値をゼロとみなすテスト棒のリード線の抵抗を差し引くため
RANGE / SELECTレンジを手動で選ぶ / 同じ位置の2つ目の機能に切り替えるオートレンジのモデルにある

手動レンジのテスターでは、ロータリースイッチの周りに200m、2、20、200、600のような値が並んでいます。それぞれがそのレンジで測れる最大の値です。ルールは簡単です。予想される値より大きいレンジのうち最も小さいものを選びます。Arduinoの5 Vラインなら20 V、単3電池なら2 V(2000m)、10 mAのLEDの電流なら20 mA、10 kΩの抵抗なら20kです。予想がまったくつかないときは、最も高いレンジから始めて下げていきます。画面の左に1だけが表示されたら(オートレンジのモデルではOL)、値がレンジを超えています。レンジを1つ上げてください。オートレンジのテスターは適切なレンジを自分で見つけ、選ぶのはV、A、Ωだけです。その代わり、値が変わると表示が落ち着くまでに約0.5秒かかります。

テスターで直流電圧を測る

  1. 黒のテスト棒をCOMに、赤のテスト棒をVΩの端子に挿します。
  2. ロータリースイッチをV⎓(直流電圧)の範囲に合わせます。手動のモデルでは、予想される値より上の最初のレンジを選びます。
  3. 回路に電源を入れます。電圧は動いている回路でしか測れません。
  4. 黒のテスト棒を回路のGNDに当てるか、ワニ口クリップで固定します。
  5. 赤のテスト棒を測りたい点に当てます。テスト棒は部品と並列になるので、回路を切り開く必要はありません。
  6. 値を読みます。前にマイナスの符号が付いていたら、テスト棒が逆です。直流電圧では害はなく、極性を示しているだけです。
測る点(黒のテスト棒はGND)予想される値低い場合
Arduino Unoの5Vピン(USB給電)4.8〜5.1 VUSBケーブルかポートが弱い、または回路が電流を引きすぎている
Arduino Unoの3.3Vピン3.3 V3.3 Vラインの負荷が大きすぎる
Arduino UnoのVINピン(9 Vのアダプター使用時)約8〜8.5 Vアダプターか電池が弱い。7 V未満では5 Vを保てない
HIGHにしたUnoのピン4.8〜5.0 V、5Vピンとほぼ同じ(負荷なし)ピンに負荷がかかりすぎているか、壊れている
ESP32の3V3ピンとHIGHのピン3.3 V電源が足りないか、レギュレーターが過熱している
Raspberry Pi PicoのVSYS(USB給電)約4.7〜4.8 VUSBケーブルかポートが弱い(VBUSは5 Vのはず)
Raspberry Pi Picoの3V3(OUT)とHIGHのピン3.3 V3V3ラインから電流を引きすぎている
LOWにした任意のピン0 Vショート、またはコードのピン番号が違う

この表を読むときは、いくつかの点に注意してください。PicoではVSYSが5 Vではなく約4.7 Vになるのが正常です。USBからのVBUSがショットキーダイオードを通るからです。UnoではVINがアダプターの電圧より約0.7〜1 V低くなります。間にある保護ダイオードでそれだけ落ちるからです。PWMの信号を測ると、テスターは平均値を表示します。analogWrite(127)で駆動したUnoのピンでは約2.5 Vになります。ピンは半分の時間5 V、残りの半分は0 Vだからです。最後に、テスターの入力抵抗は無限大ではありません。ほとんどのデジタルモデルは10 MΩですが、最も安いDT830型のテスターは約1 MΩです。5 Vを2本の1 MΩの抵抗で分けた回路の中点では2.5 Vを予想しますが、10 MΩのテスターでは約2.38 V、1 MΩのテスターでは1.67 Vと表示されます。抵抗値の大きな分圧回路では、測ること自体が測る回路を変えてしまいます。

交流電圧の測り方と商用電源についての警告

交流(AC)電圧は1秒間に何十回も向きが変わります。ヨーロッパやトルコのコンセントは230 V・50 Hz(北米では120 V・60 Hz)です。日本の商用電源は100V(50/60Hz)です。テスターをV~にすると、画面には波の実効値(RMS)が表示されます。230 Vの商用電源のピークは実は約325 Vです。Arduinoのプロジェクトで交流の測定が必要になるのは、主にトランスの出力を確認するときです。12 Vのトランスは無負荷ではたいてい13〜14 Vを示し、負荷をかけると定格値に向かって下がります。安いテスターが正しく測れるのはきれいな正弦波だけです。True RMS(真の実効値)対応でないテスターで調光器やモータードライバの出力を測ると、誤解を招く結果になります。PWMのような直流のパルスを測るには、交流ではなく直流のレンジを使ってください。

商用電源の電圧は命に関わります。訓練を受けていなければ、コンセントや分電盤で測定しないでください。どうしても必要な場合は、少なくともCAT II 300 V、できればCAT III 600 Vの定格を持ち、テスト棒が傷んでいないテスターを使ってください。カテゴリーの表示がないとても安いモデルは、商用電源では信頼できません。テスト棒の金属の先端に触れず、できるだけ片手で作業し、赤のテスト棒が絶対にAや10Aの端子に入っていないことを確認してください。

テスターで電流を測る:直列接続と10A端子

電流の測定は、テスターの間違いが最も起きやすいところです。考え方が電圧の測定とまったく逆だからです。電流計は電流が通り抜けなければならない測定器です。回路を1か所で切り開き、そのすき間にテスターを直列に入れます。電流レンジのとき、テスターの内部はほぼショートの状態で、電流を測るためのとても小さな抵抗(シャント)が入っています。この抵抗も回路にわずかな電圧降下を加えます。一般的な2000カウントのテスターで、フルスケール時に約200 mVです。たとえば5 V、220 Ω、赤のLEDでできた回路では、計算上の電流は(5 − 2) / 220 ≈ 13.6 mAですが、20 mAレンジの約10 Ωのシャントが加わると、画面には約13 mAと表示されます。この小さな差を知っていれば、測定値をオームの法則の計算と比べたときに混乱せずに済みます。

  1. 回路の電源を切ります。
  2. 赤のテスト棒をmAの端子に移します(電流が200 mAを超えそうなら10Aの端子に)。黒のテスト棒はCOMのままです。
  3. ロータリースイッチをA⎓の範囲の適切なレンジに合わせます。わからなければ10Aから始めます。
  4. 回路を1か所で切り開きます。たとえば、ArduinoのピンとLEDの抵抗の間のジャンパーを外します。
  5. 赤のテスト棒を電流が来る側(ピン)に、黒のテスト棒を電流が行く側(抵抗)に当てます。これで電流がテスターを通って流れます。
  6. 電源を入れて値を読みます。終わったら、赤のテスト棒をすぐにVΩの端子に戻してください。
テスターで最もよくある間違いは、赤のテスト棒をAの端子に挿したまま電圧を測ろうとすることです。するとテスターが電池や電源を直接ショートさせます。mAの端子のヒューズは一瞬で切れ、電源が強ければテスト棒の先端から火花が出ます。10Aの端子はさらに危険です。安いモデルの多くではこの経路にヒューズがないからです。リチウム電池やアダプターに直接当てると、シャントや内部のパターンが焼けることがあります。多くのモデルでは10Aレンジを使うのは10秒以内にとどめ、そのあと少なくとも15分はテスターを冷ましてください。切れたヒューズは、同じ定格の速断型(F)ヒューズに交換します。ガラス管よりセラミック管のヒューズのほうが安全です。針金や容量の大きいヒューズは絶対に使わないでください。

いくつかの目安の値を知っておくと、測定値を解釈しやすくなります。USBで給電したArduino Unoは単体で約40〜50 mA、Raspberry Pi Picoは20〜25 mAを消費します。ESP32はWi-Fiがオンのとき平均80〜150 mAですが、送信中には200 mAを超える短いピークがあります。テスターはこのミリ秒単位のピークを捉えられず、平均だけを表示します。スリープ時の電流を測るためにµAレンジに切り替えると、シャントの抵抗が数百オームに上がります。ボードが起きた瞬間にその抵抗で電圧が落ち、ボードがリセットされることがあります。これを避けるには、ボードの起動中はテスターの2本のリード線をジャンパーでつないでおき、スリープに入ったら外します。動いている回路でも電流レンジが常に0を示すなら、ヒューズが切れているかもしれません。取り出して導通レンジで確認し、ブザーが鳴らなければ交換してください。

テスターで抵抗を測る

抵抗を測るとき、テスターはテスト棒に小さな電流を流し、生じた電圧から抵抗を計算します。そのため最初のルールは回路の電源を切っておくことです。電源の入った回路で測った抵抗は正しくなく、テスターの抵抗測定回路を傷めることもあります。2つ目のルールは、できれば部品を回路から外すことです。つないだままの抵抗を測ると、それと並列のほかの経路も測定に含まれ、小さい値が表示されます。両方のテスト棒の金属の先端を指でつままないでください。数百kΩから数MΩある体の抵抗のせいで、特に100 kΩを超える値が実際より低く表示されます。とても小さい抵抗を測る前には、テスト棒どうしを当ててください。画面に出る0.2〜0.5 Ωはリード線の抵抗なので、差し引くかRELでゼロにします。測定値を本体のカラーコードと比べるには、抵抗のカラーコードツールを使えます。

測るもの予想される値備考
220 Ωの抵抗(金色の帯、5%)209〜231 Ωこの範囲ならどの値でも正常
10 kΩのポテンショメーター、両端の2本のピン約10 kΩ中央と端のピンの間では、軸を回すと0〜10 kΩで変わる
LDR明るいと数kΩ、暗いと数百kΩ以上手で覆うと値が上がるはず
10 kΩのNTCサーミスタ25 °Cで約10 kΩ指で温めると下がる
5 Vのリレーのコイル約70 ΩOLならコイルが断線している
8 Ωのスピーカー約6〜7 Ω直流抵抗は定格のインピーダンスより少し低い
正常なジャンパーワイヤー1 Ω未満OLか値が飛ぶ:内部で断線している

導通(ブザー)テスト

導通テストは、2点の間に電気の通り道があるかを音で教えてくれます。抵抗が一定のしきい値より低ければ、テスターがブザーを鳴らします。しきい値はモデルによって違い、ほとんどのハンディテスターでは数十オームです。これで画面を見ずに、回路から目を離さないまま何十もの接続をすばやく確認できます。レンジは音波の記号で示され、多くのテスターではダイオードのレンジと同じ位置にあり、SELECTボタンで切り替えます。Arduinoのプロジェクトでの最もよくある使い方は、内部で断線したジャンパーワイヤーを見つける、ブレッドボードの電源レールが中央で分かれていないか確かめる、はんだ付けの箇所を確認する、4ピンの押しボタンのどの足が内部でつながっているかを調べる、5VとGNDの間にショートがないことを確かめる、といったものです。抵抗の測定と同じく、導通テストも電源を切った回路でだけ行います。

新しく組んだ回路に初めて電源を入れる前に、導通レンジで5VとGNDの間を確認してください。ブザーが鳴り続けるならショートしています。ボードをつなぐ前に原因を見つけましょう。回路に大きなコンデンサがあると、最初に短くブザーが鳴ることがあります。コンデンサは充電される間、一瞬ショートのように振る舞うからです。音がすぐに止まれば問題ありません。

ダイオードとトランジスタのテスト

整流用ダイオード
整流用ダイオードは電流をアノードからカソードへしか流しません。テスターのダイオードレンジでは、その向きで約0.5〜0.7 V、逆向きでOLを示します。

ダイオードレンジでは、テスターはテスト棒に約1 mAの小さな電流を流し、オームではなく部品の順方向電圧を表示します(モデルによって0.580 Vや580 mVなど)。赤のテスト棒をアノードに、黒のテスト棒をカソード(帯のある側)に当てると、正常なシリコンダイオードは0.5〜0.7 V、ショットキーダイオードは0.15〜0.35 Vを示します。逆向きでは画面にOLか1が出るはずです。両方向でゼロに近ければダイオードはショートしていて、両方向でOLなら内部で断線しています。このレンジはLEDにも最適です。赤のLEDは約1.6〜1.9 Vを示し、かすかに光ることが多いので、動くかどうかとどちらの足がどちらかが同時にわかります。青と白のLEDは順方向電圧が高いので、テスターによっては点けられずOLを示しますが、LEDが壊れているわけではありません。詳しくはダイオードとは?の記事を参照してください。

テスト赤 → 黒のテスト棒逆向き故障の場合
シリコンダイオード(1N4007、1N4148)0.5〜0.7 VOL両方向で約0 V(ショート)か、両方向でOL(オープン)
ショットキーダイオード(1N5819)0.15〜0.35 VOLシリコンダイオードと同じ症状
赤のLED1.6〜1.9 V、LEDがかすかに光るOL両方向でOL
NPNトランジスタ:ベース → エミッタとベース → コレクタ0.5〜0.8 VOLどちらかの接合部で約0 VかOL
NPNトランジスタ:コレクタ ↔ エミッタOLOLゼロに近い値:トランジスタがショートしている

測定の上では、トランジスタは背中合わせにつないだ2つのダイオードのように振る舞います。NPNトランジスタでは、赤のテスト棒をベースに当て、黒のテスト棒でほかの2本の足に触れると、どちらの接合部でも0.5〜0.8 Vが表示されます。PNPでは黒のテスト棒をベースに当てると同じ結果になります。ベース–エミッタの値はベース–コレクタより通常数ミリボルト高いので、エミッタを見分けられます。テスターにhFEのソケットがあれば、トランジスタを正しい種類(NPNかPNP)の穴に挿して増幅率も読めます。BC547なら、増幅率のグループに応じて110〜800が正常です。ピンの並びはトランジスタのピン配置ツールで確認でき、トランジスタとは?の記事で足の見分け方をステップごとに説明しています。

テスターでArduinoの回路のトラブルシューティングをする

動かない回路で配線をむやみに差し替えるのではなく、系統立てて調べましょう。黒のテスト棒をボードのGNDに固定し、電源から負荷へ向かって電圧をステップごとに追います。まず電源の出力を、次にボードの5Vか3.3Vのピンを、次にブレッドボードの電源レールを、最後にセンサーやモジュールのVCCピンを測ります。電圧が消えるか目に見えて下がった最初の点の直前の接続に、故障があります。2つ目の強力な方法は電圧降下テストです。回路を動かしたまま、同じ配線の両端にテスト棒を当てます。正常な配線や接点ならほぼ0 Vのはずで、0.1 Vを超えるならその接続に抵抗がある、つまり接触不良です。Arduinoのプロジェクトで最もよくある故障は次の3つです。

ジャンパーワイヤー
ジャンパーワイヤー
ブレッドボード
ブレッドボード
単3電池 1.5 V
単3電池 1.5 V
  • ジャンパーワイヤーの断線:センサーがときどき動き、配線に触れると途切れるなら、まずジャンパーを疑ってください。安い配線の細い素線は、プラスチックの被覆の中や、先端の金属ピンをかしめた部分で切れますが、外からは何も見えません。配線を回路から外し、テスターを導通にして両端に当てます。テスト棒を当てたまま、配線を曲げたり揺らしたりします。ブザーが途切れたり、抵抗レンジで値が1 Ωを超えて飛んだりするなら、その配線は捨ててください。新しい配線の束を使う前に数分かけてこうして調べておけば、コードのバグ探しに何時間も費やさずに済みます。
  • ブレッドボードの接触と分かれた電源レール:LEDやモジュールがまったく反応しない場合は、回路を動かしたままブレッドボード上の電圧を追います。Arduinoの5Vピンに5 Vがあるのにブレッドボードのレールで0 Vなら、間の配線か穴が接触していません。長い830穴のブレッドボードの中には、電源レールが中央で分かれているものがあります。赤と青の線の切れ目が目印です。レールの2つの半分の間で導通テストをすれば確かめられ、必要なら短いジャンパーでつなぎます。ばねのへたりもよくあります。足が穴に入っているように見えても実際にはばねに挟まっていないことがあるので、穴ではなく足そのものにテスト棒を当ててください。詳しくはブレッドボードとは?の記事を参照してください。
  • 弱った電池:電池で動くプロジェクトがしばらくすると勝手にリセットされる、モーターが回るとディスプレイが暗くなる、サーボが震える、といった場合は電池が弱っています。ここでの落とし穴は、電池を無負荷で測ることです。弱った9 V電池は無負荷では8.5 Vを示し、負荷をかけると6 Vまで落ちることがあります。電圧は回路を動かしたまま、できればモーターやサーボが動く瞬間に測ってください。UnoをVINかDCジャックで給電している場合、この電圧が7 Vを下回ると基板上のレギュレーターは5 Vを保てません。9 V電池はArduinoにはあまり向いていません。容量が約500 mAhしかないので、50 mAを消費するUnoを8〜10時間しか動かせないからです。適切な電池を選ぶにはArduinoを電池で動かすの記事を参照してください。
電池新品・満充電(無負荷)交換・充電の目安(負荷時)
単3 / 単4アルカリ電池1.55〜1.65 V1.1 V未満
単3 × 4本のパック6.2〜6.5 V4.6 V未満
9 Vアルカリ電池9.3〜9.6 V7 V未満
単3ニッケル水素電池(充電式)1.35〜1.45 V1.0〜1.1 V
18650リチウムイオン電池4.2 V3.2〜3.3 V。3.0 V未満にしない

テスターでピンをテストするArduinoのスケッチ

ピンが壊れているかどうかを確かめる最も確実な方法は、既知の状態にして測ることです。下のスケッチはArduino Unoの2〜19番ピンを順番に4秒ずつHIGHにし(A0〜A5はデジタルピンとして14〜19番)、どのピンが有効かをシリアルモニタに表示します。0番と1番ピンはシリアル通信に使われるので除外しています。黒のテスト棒をGNDに固定し、シリアルモニタを9600ボーで開いて、表示されたピンに赤のテスト棒を当ててください。

C++ (Arduino IDE)
1// Pin testi: pinleri sırayla HIGH yapar / Pin test: sets the pins HIGH one by one
2// Siyah prob GND'de, kırmızı prob yazan pinde / Black probe on GND, red probe on the printed pin
3const int FIRST_PIN = 2;               // 0 ve 1 seri port için boş / 0 and 1 stay free for Serial
4const int LAST_PIN = 19;               // A0-A5 dijitalde 14-19 / A0-A5 are 14-19 as digital pins
5const unsigned long STEP_MS = 4000;    // her pinde bekleme / time on each pin
6
7void setup() {
8  Serial.begin(9600);
9  for (int pin = FIRST_PIN; pin <= LAST_PIN; pin++) {
10    pinMode(pin, OUTPUT);
11    digitalWrite(pin, LOW);            // hepsi 0 V başlar / all start at 0 V
12  }
13  Serial.println(F("Pin testi / Pin test"));
14}
15
16void loop() {
17  for (int pin = FIRST_PIN; pin <= LAST_PIN; pin++) {
18    digitalWrite(pin, HIGH);           // yalnız bu pin 5 V / only this pin at 5 V
19    Serial.print(F("Pin "));
20    Serial.print(pin);
21    Serial.println(F(": HIGH -> ~5 V"));
22    delay(STEP_MS);
23    digitalWrite(pin, LOW);            // tekrar 0 V / back to 0 V
24  }
25}

負荷のない正常なピンでは、5Vピンとほぼ同じ電圧(4.8〜5.0 V)が表示され、スケッチが次のピンに移ると0 Vになるはずです。HIGHの間に0 Vや1〜3 Vの不安定な値を示すピンは、過電流で壊れている可能性が高いので、プロジェクトを別のピンに移してください。13番ピンでは、ボードのL LEDも点くのがわかります。ESP32やPicoでも同じ方法が使えます。これらのボードではHIGHは3.3 Vです。

テスターは、Arduinoで行う測定の校正にも役立ちます。Unoのアナログの読み取りは5Vラインを基準に使うので、USBの電圧が4.8 Vに下がると、どの結果も約4%ずれます。下のスケッチは、チップの内部1.1 V基準電圧を使って電源電圧を測り、その実際の値からA0につないだ電池の電圧を計算します。内部基準電圧はチップによって1.0〜1.2 Vの間でばらつくことがあります。テスターで5Vピンを測ってスケッチの表示と比べ、INTERNAL_REFを補正してください(テスターが4.95 V、スケッチが5.05 Vなら、1.1 × 4.95 / 5.05 ≈ 1.078を入力します)。A0にかけられるのは最大5 Vです。9 V電池を測るには、先に分圧回路で下げてください。

C++ (Arduino IDE)
1// Pil ölçer: 5V hattını dahili 1,1 V referansla ölçer / Battery meter: measures the 5V rail with the internal 1.1 V reference
2// Pil (+) -> A0, pil (-) -> GND, en fazla 5 V / Battery (+) -> A0, (-) -> GND, 5 V max
3const float INTERNAL_REF = 1.1;        // multimetreyle düzelt / correct it with your multimeter
4
5float readVcc() {
6  // Giriş: 1,1 V bandgap, referans: AVcc / Input: 1.1 V bandgap, reference: AVcc
7  ADMUX = _BV(REFS0) | _BV(MUX3) | _BV(MUX2) | _BV(MUX1);
8  delay(2);                            // referans otursun / let the reference settle
9  ADCSRA |= _BV(ADSC);                 // dönüşümü başlat / start the conversion
10  while (bit_is_set(ADCSRA, ADSC));    // bitmesini bekle / wait until it finishes
11  return INTERNAL_REF * 1023.0 / ADC;  // gerçek 5V hattı / real 5V rail
12}
13
14void setup() {
15  Serial.begin(9600);
16}
17
18void loop() {
19  float vcc = readVcc();
20  analogRead(A0);                      // kanal değişti, ilk okumayı at / channel changed, discard first reading
21  float vbat = analogRead(A0) * vcc / 1023.0;
22  Serial.print(F("5V: "));
23  Serial.print(vcc, 2);
24  Serial.print(F(" V   Pil / Battery: "));
25  Serial.print(vbat, 2);
26  Serial.println(F(" V"));
27  delay(1000);
28}

ESP32とRaspberry Pi Picoで測る

3.3 Vのボードでも測り方は同じで、変わるのは予想される値だけです。HIGHのピンは3.3 V、LOWのピンは0 Vで、GPIOは5 Vに耐えられません。ですから、テスト棒の先端が5Vピンと隣のGPIOに同時に触れないよう注意してください。2本のピンをまたいだテスト棒の先端は、一瞬でピンを壊すことがあります。ESP32のADCは直線的ではなく、約3.1 Vを超えると正しく読めません。生の値を自分で換算する代わりにanalogReadMilliVolts()関数を使い、結果をテスターと比べれば誤差がすぐにわかります。Raspberry Pi Picoには自分の電源を測るのに便利な機能があります。GP29ピンがVSYSの電圧の3分の1をADCに入れているのです。下のMicroPythonのコードは、GP15を2秒ごとに切り替え、GP26とVSYSの電圧を測ります。Pico WではGP29がWi-Fiチップと共用なので、この方法でのVSYSの読み取りは当てになりません。

MicroPython
1from machine import Pin, ADC
2import time
3
4test_pin = Pin(15, Pin.OUT)              # multimetreyle ölçülecek pin / pin to check with the multimeter
5adc0 = ADC(26)                           # GP26 = ADC0, ölçülen gerilim / voltage being measured
6vsys = ADC(29)                           # GP29 = VSYS / 3 (Pico W'da değil) / VSYS / 3 (not on Pico W)
7CONV = 3.3 / 65535                       # ham değerden volta / raw value to volts
8
9while True:
10    test_pin.value(not test_pin.value()) # GP15: 0 V <-> 3,3 V / 0 V <-> 3.3 V
11    v_in = adc0.read_u16() * CONV
12    v_sys = vsys.read_u16() * CONV * 3   # bölücüyü geri çarp / undo the divider
13    print("GP15:", test_pin.value(), " ADC0: %.2f V  VSYS: %.2f V" % (v_in, v_sys))
14    time.sleep(2)

結果を確かめるには、黒のテスト棒をPicoの38番ピン(GND)に、赤のテスト棒を39番ピン(VSYS)に当てます。コードとテスターの間で2〜3%の差があるのは正常です。PicoのADCの基準は3.3 Vラインで、それも完璧ではないからです。GP26をテストするにはポテンショメーターの中央のピンをつなぎ、軸を回したときにコードとテスターが同じ値を追うのを観察してください。

テスターの安全のルール

  • 測る前にレンジを選ぶ:テスト棒を回路に当てたままロータリースイッチを回さないでください。電圧を測りながら電流や抵抗のレンジを通過すると、テスターに負担がかかります。
  • 毎回、赤のテスト棒の位置を確認する:電流を測ったら、すぐにテスト棒をVΩの端子に戻してください。テスト棒がAの端子にあるのにほかの機能を選ぶと、警告のブザーを鳴らすモデルもあります。
  • 抵抗、導通、ダイオードのテストは電源を切った回路でだけ行う:大きなコンデンサは、測る前に抵抗を通して放電してください。
  • わからない値は最も高いレンジから始める:手動レンジのテスターでは、1段ずつ下げていきます。
  • テスト棒を点検する:被覆が割れていたり、線がむき出しになっていたりするリード線は使わないでください。指はテスト棒のつばより後ろに置きます。
  • カテゴリーと電圧の上限を守る:前面パネルのCATの定格と最大電圧を決して超えないでください。コンセントには少なくともCAT II、分電盤にはCAT IIIが必要です。
  • ヒューズは同じものと交換する:切れたヒューズの代わりに針金、アルミ箔、定格の大きいヒューズを絶対に入れないでください。そのヒューズは使う人の身を守るためのものです。
  • 電池の警告を軽く見ない:電池のマークが出たらテスターの電池を交換してください。電池が弱いと、テスターが間違った値を表示することがあります。

よくある間違いと解決法

間違い症状解決法
電流を測るのにテスターを並列につなぐヒューズが切れる、電源がショートする回路を切り開いてテスターを直列につなぐ
赤のテスト棒をAの端子に挿したまま電圧を測る火花、ヒューズ切れ、電池が熱くなる電圧を測るときは赤のテスト棒を必ずVΩに
直流の回路で交流のレンジを選ぶ0か意味のない値直流の電源にはV⎓のレンジを使う
電源の入った回路で抵抗を測る値が変わり続けるか、意味をなさないまず電源を切り、できれば部品を外す
画面の1やOLを故障だと思う値に対してレンジが小さすぎるレンジを1つ上げる
黒のテスト棒をGND以外に当てる意味のない値やマイナスの値黒のテスト棒をボードのGNDに固定する
電池を無負荷で測って問題ないと思い込む電池は良さそうなのにプロジェクトがリセットされる回路を動かしたまま、負荷時の電圧を測る
テスター自体の電池を交換しない不安定で間違った値電池のマークが出たらすぐに交換する
最初のテスターを選ぶときは、導通用のブザー、ダイオードレンジ、ヒューズ付きのmAと10Aの入力、少なくとも2000、できれば4000〜6000のカウント、そして商用電源を扱う可能性があるなら、きちんと試験されたCAT III 600 Vの定格を探してください。オートレンジは作業を速くしますが、手動レンジのテスターはレンジの仕組みを教えてくれます。Arduinoのプロジェクトのような低電圧の回路だけを扱うなら、手頃なモデルで十分です。

テスターの練習になるプロジェクトアイデア

  • LEDの電流を測る:220 Ωと1 kΩの抵抗で電流がどう変わるかを見て、結果をオームの法則計算ツールと比べます。
  • 分圧回路:2本の抵抗で5 Vを3.3 Vに下げ、中点を測って公式を確かめます。詳しくは分圧回路の記事にあります。
  • 光で変わる抵抗:明るいところと暗いところでLDRを測り、同じ変化をanalogReadで読みます。
  • Arduinoの電圧計:自分の電圧計を作り、テスターで校正します。Arduinoで電圧計を作るを参照してください。
  • 電流センサー:モーターが消費する電流を、テスターとACS712電流センサーの両方で測って比べます。
  • PWMの平均:analogWriteの値を0から255まで上げ、ピンの平均電圧が0から5 Vまで直線的に上がるのを観察します。

テスターは電子工作での目と耳のようなものです。当て推量ではなく測ることに慣れれば、ほとんどの故障を数分で見つけられるようになります。測定値の背景にある計算を整理するにはオームの法則を、回路の部品を知るには抵抗とは?を読んでください。BlueGraysアプリには、LEDの点灯、押しボタン、LDRでの明るさの測定、NTCでの温度の測定、LCD付きのデジタル電圧計などのプロジェクトが、ステップごとの回路図とコード付きで揃っています。各ステップをテスターで測って確かめれば、理解がさらに深まります。

よくある質問

テスターで電池を確認するには?

テスターを直流電圧(V⎓)にし、手動のモデルなら単3電池には2 V、9 V電池には20 Vのレンジを選びます。赤のテスト棒をプラスの端子に、黒のテスト棒をマイナスに当てます。新品の単3アルカリ電池は1.55〜1.65 Vを示します。最も正確な結果を得るには、電池が回路に給電している間、つまり負荷時に測ってください。

テスターで電流を測るには?

回路を1か所で切り開き、そのすき間にテスターを直列につなぎます。赤のテスト棒はmAか10Aの端子、黒のテスト棒はCOMです。こうすれば電流がすべてテスターを通って流れます。電流レンジのまま電池やアダプターにテスト棒を当てると、ショートしてヒューズが切れます。

テスターに表示されるOLや1の意味は?

OL(オーバーロード)、または画面の左に1だけが表示されるのは、値が選んだレンジを超えていることを意味します。電圧と電流なら、レンジを1つ上げてください。抵抗と導通の測定では、OLは回路が開いている、つまり断線しているか抵抗がとても大きいことを意味します。

テスターのヒューズが切れたかどうかはどうやってわかる?

動いているとわかっている回路でも電流レンジが常に0を示すなら、ヒューズが切れているかもしれません。裏ぶたを開けてヒューズを取り出し、導通レンジで確認します。ブザーが鳴らなければ切れています。同じ電流と電圧の定格の速断型ヒューズに交換してください。

テスターで配線の断線を確認するには?

配線を回路から外し、テスターを導通(ブザー)にして両端にテスト棒を当てます。正常な配線ならブザーが鳴り、1 Ω未満を示します。まったく音が出ない、または配線を曲げるとブザーが途切れるなら、内部で断線しています。

初心者はどんなテスターを買えばいい?

Arduinoのプロジェクトのような低電圧の作業なら、少なくとも2000カウントで、ブザー付きの導通テスト、ダイオードレンジ、ヒューズ付きの電流入力を備えたデジタルテスターで十分です。オートレンジなら使いやすくなります。商用電源を測るなら、独立した機関で試験されたCAT III 600 Vの定格のモデルを選んでください。

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LEDの点滅
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小さなビーズのようなセンサーで周囲の温度を測ります。NTCというこの部品は、温まるほど電気が流れやすくなります。Arduinoがその変化を読み取り、数式で摂氏温度に変換して、2行のLCDディスプレイに0.5秒ごとに表示します。手のひらでセンサーを温めて、数値が上がる様子を見るのも楽しみの1つです。

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可変抵抗を使ってLEDの明るさをアナログ操作で調整します。ESP32のADCピンで可変抵抗からの0-3.3Vの電圧を読み取り、PWM(パルス幅変調)信号に変換してLEDに出力します。可変抵抗を回すと、LEDが徐々に明るくなったり暗くなったりします。Arduino Core 3.0+ではanalogWrite()を直接使えます。ESP32-S2/S3ではADCの分解能を12ビットに固定します。

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