学校でロボットクラブを始める方法:最初のミーティングから発表会まで
ロボットクラブの始め方を解説します。準備のチェックリスト、60分の最初のミーティング、クラブの役割、14週間の学期カレンダー、進捗ボード、3分間の発表会プレゼンまでまとめました。
ロボットクラブの始め方を短くまとめると、次のとおりです。まず顧問の先生、決まった部屋と時間、番号を付けたキット、学校の管理職の承認で土台をつくります。次に、動くロボットを見せてメンバーを集めます。学期の最初の4週間は無料の基礎プロジェクトに使い、残りの週はチームプロジェクトに取り組み、最後は発表会で学期を締めくくります。つまり、段階は準備、宣伝とメンバー集め、学期中のプロジェクトサイクル、発表会の4つです。クラブを長続きさせるのは機材の多さではなく、仕組みのわかりやすさです。毎回のミーティングに流れがあり、メンバー全員に役割があり、どのチームにも週ごとの目標があり、学期末に見せる成果物があれば、クラブは自然に回り始めます。
この記事で扱うのはクラブの運営です。準備のチェックリスト、予算の項目、60分の最初のミーティング、クラブの役割、14週間の学期カレンダー、チームプロジェクトの管理、発表会、翌年への引き継ぎを説明します。どの週にどの回路を作るかという内容面を知りたい場合は、ブロックプログラミングで進める8週間のロボットプログラミング授業計画が役に立ちます。ロボットの作り方そのものは、ロボットカー、障害物を避けるロボット、ライントレースロボットの記事を参照してください。例はすべて仮のものです。中学校で、メンバー16〜20人、週1回60分活動するクラブを始める場合を想定しています。
ロボットクラブを始める4つの段階
- 準備(学期が始まる3〜4週間前):顧問の先生、ミーティングの部屋と時間、キットの数、保管の仕組み、学校の許可を決めます。この段階の成果物は1枚のクラブ計画書です。目的、曜日と時間、定員、学期末の発表会の日付を書きます。
- 宣伝とメンバー集め(1〜3週目):短い宣伝、動くロボットを中心にした最初のミーティング、2回の体験ミーティングを行います。メンバーは3週目の終わりに確定します。来たり来なかったりする生徒は、この期間に自然と分かれていきます。
- 学期中のプロジェクトサイクル(4〜13週目):まず全員が同じ無料プロジェクトで基礎を身につける週があり、その後は3〜4人のチームが自分たちのプロジェクトを選び、週ごとの目標に向かって進めるサイクルに入ります。目標を決める、作る、テストする、記録する、ボードを更新する、の繰り返しです。
- 発表会(14週目):各チームが動くプロジェクトをテーブルで見せ、3分間のプレゼンを行い、ルーブリックで評価を受けます。発表会は学期のゴールであると同時に、翌年に向けた宣伝の場でもあります。
準備のチェックリスト:クラブを始める前に
準備段階で行うことには、すべて同じ目的があります。最初のミーティングで、生徒が10分以内に何かを動かせるようにすることです。パソコンにArduino IDEが入っていない、キットを数えていない、直前に部屋がほかの活動に回された、といったことがあると第一印象が崩れ、2回目のミーティングに来る生徒が減ります。下のリストを紙に書き出し、各項目の横に期日と担当者を書いてください。リストがすべて終われば、クラブの最初の学期に必要なものはそろっています。
- 顧問の先生:学校の中でクラブに責任を持つ人です。電子工作の専門家である必要はありません。ミーティングに毎回来て、キットと部屋の鍵を管理し、学校の管理職と話ができる人なら十分です。できれば2人目の先生に副顧問を頼み、病気や試験期間でもクラブが止まらないようにしましょう。
- 部屋と時間:コンセントが十分にあり、机をグループに並べられ、鍵のかかる棚がある部屋を選びます。時間は週1回、60分の決まった枠にします。多くの学校では、最後の授業のすぐ後にミーティングを行うと参加率が上がります。部屋は学期の初めに学期全体の分を予約しておきましょう。
- キットと保管:3〜4人のチームごとにArduino Unoのキットを1セット、番号付きの箱、予備部品ボックスを用意します。キットのリスト、棚の配置、色分けのルールは学校にArduinoラボをつくるの記事で詳しく説明しました。クラブも同じ仕組みで運営できます。
- パソコンとソフトウェア:チームごとに、Arduino IDEとボードのドライバをインストールしたパソコンを1台と、番号を付けたUSBケーブルを用意します。学校でソフトウェアのインストールをICT担当者が管理している場合は、インストールのリストを2週間前に渡しておきましょう。
- 学校の許可:学校のクラブ活動や課外活動のルールによって、管理職の承認、クラブの書類、申請書などが必要になります。授業時間外に集まる場合は、保護者へのお知らせと同意書も用意します。発表会と写真撮影については、同意書に別の項目を設けます。手続きは学校によって違うので、まずは学校の事務に確認してください。
- 安全のルール:最初の数週間は、すべての回路をUSB、つまり5 Vで給電します。電池やACアダプターは、モーター付きロボットの段階で、顧問の先生の管理のもとでだけ使います。ルールのリストは最初のミーティングで一緒に読み、壁に貼っておきましょう。
- クラブ計画書:1枚にまとめます。目的、ミーティングの曜日と時間、定員、顧問、学期カレンダー、発表会の日付を書きます。この1枚が、学校の事務、保護者、宣伝ポスターのすべての元になります。
予算を立てるときは、価格を調べ始める前に項目を書き出しましょう。下の表には金額を入れていません。価格は仕入れ先や時期によって変わるからです。その代わり、どの項目がいつ必要で、どれを後回しにできるかがわかります。最初の学期に本当に必要なのは最初の4行です。ロボットのシャーシとモータードライバは、チームプロジェクトが始まる前、つまり5週目より前に届けば間に合います。発表会の材料は学期末が近づいてから買えば十分です。学校の予算が足りない場合は、PTAや地元の企業、プロジェクト向けの助成金に相談するとき、この表を1枚のクラブ計画書の裏に添えてください。
| 項目 | 何に使う? | いつ必要? | 優先度 |
|---|---|---|---|
| チームのキット(ボード、ブレッドボード、ワイヤー、LED、抵抗、ボタン、センサー) | 基礎の週とすべてのチームプロジェクト | 1週目より前 | 必須 |
| 番号付きの収納ボックスと鍵のかかる棚 | 部品の紛失を防ぎ、ミーティングの最初にすばやく配る | 1週目より前 | 必須 |
| 予備部品ボックス | 焼けたLED、切れたワイヤー、なくした抵抗 | 1週目より前 | 必須 |
| USBケーブルと延長コード | すべてのチームをパソコンにつなぐ | 1週目より前 | 必須 |
| ロボットのシャーシ、ギア付きモーターと車輪のセット、モータードライバ | 動くチームプロジェクト | 5週目より前 | チームプロジェクト次第 |
| 電池ボックスと充電式電池 | ケーブルなしで動くロボット | 5週目より前 | チームプロジェクト次第 |
| 消耗品(ワイヤー、抵抗、LED、テープ、ラベル) | 学期中に足りなくなったもの | 学期の半ば | 必須 |
| 発表会の材料(A4のプロジェクトカードの印刷、厚紙、テーブルクロス、テープ) | 発表会のテーブルとロボットのコース | 12週目 | 任意 |
| BlueGraysプレミアムのコード(教育者向けパッケージ) | 全員が自分のスマホでプレミアムのチームプロジェクトを開けるようにする | 4週目の終わり | 任意 |
宣伝とメンバー集め:誰を、何人、どうやって?
いちばん効果のある宣伝道具は、ポスターではなく動くロボットです。休み時間に廊下で、障害物を見つけると向きを変えるロボットを10分間走らせるほうが、全クラスでのお知らせよりずっと多くの関心を集めます。ポスターに載せるのは3つの情報だけにしましょう。何をするのか(「ロボットや電子工作のプロジェクトを作ります。経験は不要です」)、いつ集まるのか、最初のミーティングの場所です。定員はキットの数で決まります。キットが6セットなら、3人チームで18人、4人チームなら最大24人まで受け入れられます。5人以上のチームでは、必ず誰かが見ているだけになります。申し込みが多すぎる場合は抽選かキャンセル待ちにしますが、最初の2回のミーティングは誰でも参加できるようにしておきましょう。この2回は体験期間です。生徒はクラブがどんなものかを知り、顧問は誰が本当に続けるかを見極められます。3週目の終わりにメンバーを確定し、短いメンバー用紙を集めます。名前、クラス、プログラミングの経験があるか、興味のある分野(ロボット、音、光、計測)、保護者の同意を書いてもらいます。興味の欄は、5週目にチームを作るときに役立ちます。
最初のミーティング:60分の流れ
| 時間 | パート | 顧問がすること | 生徒がすること |
|---|---|---|---|
| 0〜5分 | 歓迎 | 入口で生徒を迎え、各テーブルにチーム番号のカードを置く | テーブルに座り、名札に名前を書く |
| 5〜15分 | 自己紹介とクラブの目的 | クラブ計画書を紹介する:学期カレンダー、発表会の日付、ルール | 1人ずつ名前と、作ってみたいロボットを1つ、ひと言で話す |
| 15〜22分 | 動くデモ | ロボット、または距離に応じて音が鳴る回路を動かし、「感知・判断・動作」の3段階を見せる | センサーの前に手をかざし、何が何のきっかけになるかを予想する |
| 22〜45分 | ミニプロジェクト | 生徒にスマホでプロジェクトを開かせ、テーブルの間を回り、つまずいたチームに行く | LEDの点滅:回路を組み、コードを書き込み、待ち時間を変える。終わった生徒は信号機へ進む |
| 45〜55分 | 役割決め | クラブの役割を紹介し、体験期間の立候補を募る | 仮の役割を選ぶか、くじで決める |
| 55〜60分 | まとめ | 翌週の予定を伝え、キットを数えさせる | 箱の中身を数えて返却し、興味の用紙を記入する |
この流れには大事な場面が2つあります。1つ目はデモです。動くロボットがなくても問題ありません。HC-SR04で距離を測定(シリアルモニタ表示)の距離センサーにブザーを加えたり、ブザーの使い方で警告音を鳴らしたりしても同じ効果があります。生徒に見せたいのは、センサーが何かを感知し、コードが判断し、出力が反応する様子です。2つ目はミニプロジェクトです。最初のミーティングでは、全員が自分の手で何かを動かしてから帰れるようにしましょう。LEDの点滅と信号機は、BlueGraysでブロックも含めて完全に無料です。生徒はスマホでプロジェクトを開き、一緒に作りましょうモードのステップを順番に進められます。部品を準備、回路を組む、コードを書き込む、動作させてテスト、の順です。そうすれば6チームに同時に説明する代わりに、つまずいているテーブルに行くだけで済みます。最後の5分は必ず数を数える時間にしてください。クラブの最初の習慣は、箱の中身をそろえて棚に戻すことです。

クラブの役割:全員に仕事を
役割は上下関係を作るためではなく、顧問の負担を分け、メンバー全員にクラブの中での居場所をつくるためにあります。16〜20人のクラブで、顧問が1人でキットを数え、写真を撮り、チームを手伝い、発表会の計画まで立てていたら、数週間で疲れ切ってしまいます。下の役割はクラブ全体のものです。各チームの中にも組み立て係、コード係、読み上げ係の役割があり、こちらは毎回交代します。体験期間の週はクラブの役割を仮のものにしておき、4週目の終わりに正式なメンバーの中から選び直し、学期の残りはそのまま固定します。いちばん大切なのはピアメンターです。前年もクラブにいた生徒や、基礎の週を早く終えた生徒が、顧問より先につまずいたチームに行きます。顧問の前にできる列が短くなり、メンター自身も説明することで学んだ内容を定着させられます。
| 役割 | 責任 | 毎週の仕事 | 人数 |
|---|---|---|---|
| 部長/コーディネーター | ミーティングの流れを管理し、お知らせを行い、顧問と一緒に議題を準備する | ミーティング前に10分の議題の打ち合わせ、最後に翌週のお知らせ | 1人(+副部長1人) |
| 備品係 | 箱の開始時と終了時の点検、予備ボックス、不足部品のリストを管理する | 最初に配布、最後に点検。不足部品は書面で顧問に報告する | 2人 |
| 記録係 | 写真、短い動画、ミーティングのメモを残し、記録テンプレートを集める | 毎回、顔の写っていない写真5〜6枚と1段落のメモ | 1〜2人 |
| ピアメンター | つまずいたチームを最初に手助けし、基礎の週に新メンバーを支える | ミーティング中にテーブルの間を回り、解決できないことを顧問に伝える | 2〜3人 |
| ボード係 | 週ごとの進捗ボードを更新し、遅れているチームを部長に知らせる | ミーティングの最後に各チームの状況を集め、ボードに書く | 1人 |
| 発表会・広報係 | ポスター、発表会の招待状、テーブルの配置図、校内のお知らせを準備する | 学期の初めと最後の4週間は忙しく、その間は軽め | 1〜2人 |
| チームリーダー | チームの週の目標をボードに伝え、チーム内の役割交代を管理する | 毎回、最初に目標を、最後に状況を伝える | 1チームに1人 |
14週間の学期カレンダー
カレンダーは4つのブロックに分かれます。最初の4週間は、全員が同じ無料プロジェクトを作って基礎を学びます。この期間は体験期間も兼ねていて、誰もプレミアムを必要としません。5〜10週目は、3〜4人のチームが自分たちのプロジェクトを選んで作ります。11〜13週目は発表会の準備です。テスト、改良、記録、プレゼンの練習を行います。14週目が発表会です。基礎の週の各ミーティングの内容は、ブロックプログラミングの授業計画の各週から取り入れられます。表のプロジェクトは、その計画と同じ順番に並んでいます。
| 週 | テーマ | ミーティングの内容 | その週の成果 |
|---|---|---|---|
| 1週目 | 最初のミーティング | 自己紹介、デモ、LEDの点滅、仮の役割 | 全員がLEDを光らせた |
| 2週目 | 基礎:出力とタイミング | 信号機。ブロックとコードを並べて読む | 時間を変えた信号機 |
| 3週目 | 基礎:入力と条件 | ボタンでLEDを点灯(押している間のみ)、LDRで作る常夜灯。メンバー用紙、メンバー確定 | 最終的なメンバー名簿 |
| 4週目 | 基礎:センサーと音 | HC-SR04で距離を測定(シリアルモニタ表示)、ブザーの使い方。ミニコンテスト:いちばん正確に距離を測る | 正式な役割を決定 |
| 5週目 | チーム作りとプロジェクト選び | 興味に合わせて3〜4人のチーム、プロジェクトさがし、プロジェクトカード | 各チームのプロジェクトカードと部品リスト |
| 6週目 | 計画と最初の回路 | 部品の確認、回路の前半、ボードに最初の目標 | プロジェクトの一部が動く |
| 7〜9週目 | 製作の週 | 週の目標、製作、テスト、記録テンプレートへのメモ | 毎週ボードに「完了」が1つ以上 |
| 10週目 | プロトタイプの日 | 各チームが2分間で、動く部分と動かない部分を見せる | 残り4週間の範囲を決定 |
| 11週目 | テストと改良 | バグのリスト、配線の整理、電池とシャーシの丈夫さ | 3回続けて動くプロジェクト |
| 12週目 | 記録とポスター | 記録テンプレートを完成させ、A4のプロジェクトカードを書く | 印刷できる状態のプロジェクトカード |
| 13週目 | プレゼンの練習と準備 | 3分間のプレゼンの練習、テーブルの配置図、フォーラムでのチュートリアル投稿の共有 | 時間を計った練習、発表会のチェックリスト |
| 14週目 | 発表会 | 発表会、評価、学期末のまとめ | 評価シート、引き継ぎファイル用のメモ |
チームプロジェクトの選び方:やる気と時間のバランス
5週目にチームができると、ほとんどの生徒はいちばん大きなロボットを作りたがります。顧問の仕事は、その気持ちをつぶすことではなく、6週間の製作期間に収まる形にすることです。BlueGraysのプロジェクトさがしからプロジェクト選びを始めると、これが楽になります。チームが3つの質問(何を作りたいか、どのボードを持っているか、どのくらい経験があるか)に答えると、アプリが最もおすすめのプロジェクト、ほかのおすすめ、同じ部品を使う無料の練習用プロジェクトを提案します。仕組みはどのArduinoプロジェクトを作ればいい?で説明しました。コンテストや展示会を目指すチームは、Arduinoの科学コンテスト向けプロジェクトアイデアも参考にできます。ロボットを作りたいチームにとって自然な順番は、HC-SR04で距離を測定(シリアルモニタ表示)でセンサーを知り、サーボモーターの使い方で動きを試し、それから障害物回避ロボットやL298Nで作るBluetooth操作の車のような本格的なロボットに進むことです。ロボット以外にも有力な選択肢があります。HC-SR04で作る駐車センサーやArduino非接触ゴミ箱(HC-SR04 + SG90サーボモーター + LED)のようなプロジェクトは、少ない部品で発表会の注目を集めます。各チームに候補を2つ選ばせ、次の基準で比べてもらいましょう。
- 時間:週60分で6週間の製作期間内に作れて、テストと修正のために少なくとも2週間が残るプロジェクトにします。
- 部品:クラブに部品がすべてそろっているか、6週目までに届くかを確認します。部品が足りないプロジェクトは、最初の2週間を待つだけで過ごすことになります。
- 段階的に動く:プロジェクトは少しずつ動くものにします。ロボットカーなら、まず車輪を回すだけ、次に距離を測る、その後で2つを組み合わせます。そうすれば10週目のプロトタイプの日に見せるものがあります。
- 役割分担:全員に回る量の回路、コード、記録の作業があるプロジェクトにします。作業がすべて1人に集中するプロジェクトは選ばないでください。
- 発表会での見ばえ:来場者が30秒でプロジェクトの働きを理解でき、何かを試せるものにします。センサーに手をかざす、ボタンを押す、スマホで操作する、といった体験です。
- 予備の計画:メインのプロジェクトが10週目までに動かない場合に備えて、それでも見せられる小さな版を決めておきます。たとえば、ロボットの代わりに距離センサーの警告回路にする、といった形です。
週ごとの進捗ボードと記録テンプレート
6チームを同時に見守るいちばん簡単な方法は、全員が見られるボードを1つ用意することです。紙で作っても(壁に貼った表に1チーム1行、付箋を使う)、学校ですでに使っているオンラインのスプレッドシートでもかまいません。大切なのは、毎回のミーティングの最初と最後に必ず確認することです。最初にチームリーダーがその週の目標をひと言で書き、最後にボード係が状況を更新します。状況は「未着手」「作業中」「完了」の3つだけです。いちばん価値があるのは「つまずき」の列です。次のミーティングまでに顧問が解決すべきことがわかるからです。足りない部品、調子の悪いセンサー、誰にも意味がわからないコードの1行などです。ボードとは別に、各チームに記録テンプレートも持たせましょう。学期を通して書き込むこの1枚が、発表会のプロジェクトカードと、フォーラムでシェアするチュートリアル投稿の両方の元になります。下は8週目のボードの例で、その後にテンプレートの項目を示します。
| チーム | プロジェクト | 今週の目標 | 状況 | つまずき | 来週 |
|---|---|---|---|---|---|
| T1 | 障害物を避けるロボット | 距離が20 cm未満になったら止まって向きを変える | 作業中 | 左のモーターの回転が遅い | モーターの配線と電池を確認する |
| T2 | 駐車センサー | 距離が縮まるほどブザーの音が速くなる | 完了 | なし | LEDバーを追加する |
| T3 | 非接触ゴミ箱 | サーボでふたを2秒間開けておく | 作業中 | サーボが震える | 顧問と一緒に電源を確認する |
| T4 | Bluetooth操作の車 | スマホから前進・後退の命令を送る | 未着手 | Bluetoothモジュールが届いていない | モジュールが届くまでにモーターのテストを終える |
| T5 | スマート常夜灯 | 教室で測って光のしきい値を決める | 完了 | なし | ケースのデザインとポスター |
| T6 | ミニ交差点 | 信号機2つと歩行者用ボタン | 作業中 | ボタンを押すと両方の信号がおかしくなる | メンターと一緒にコードを1行ずつ読む |
- プロジェクト名とひと言の目標:「障害物が現れると止まって向きを変えるロボット」のように、専門用語を使わずに書きます。
- 部品リスト:すべての部品と数量を書きます。抵抗とLEDは値と色も書きます。
- 接続:どの部品をどのピンにつないだか、ワイヤーの色、上から撮った回路のはっきりした写真を載せます。
- 仕組み:感知・判断・動作の順に3つの文で書き、コードの中で判断している行も添えます。
- バグ記録:日付、症状、試した対策、結果を書きます。発表会でいちばん面白い話は、たいていここから生まれます。
- 週ごとの写真:製作の週ごとに1枚、顔、学校名、個人情報が写らないように撮ります。
- 次のステップ:もっと時間があったら何を加えるかを書きます。この行は翌年のプロジェクトアイデアのリストに入ります。
クラブでのBlueGraysプレミアム:教育者向けパッケージで全員が同じプロジェクトに
基礎の週のプロジェクトは、すべてBlueGraysで無料です。60件の無料プロジェクト(各プラットフォーム20件)のすべてで、回路図、部品リスト、コード、ブロック、コードを理解が開放されています。一方、チームプロジェクトになると、ロボットカー、駐車センサー、サーボのプロジェクトなど、プレミアムのプロジェクトが入ってきます。メンバー全員が自分のスマホで同じプロジェクトページを開けるようにするいちばんすっきりした方法は、教育者向けのパッケージ購入です。アプリでは教育者向けパッケージという名前で表示されます。顧問が自分のApp StoreまたはGoogle Playのアカウントでプロフィール > 教育者向けパッケージからパッケージを1回購入すると、コードがマイコードに届き、1つのコードで1人のメンバーがプレミアムを使えます。パッケージは自動更新されず、メンバーがカードを登録する必要もなく、未使用のコードに有効期限はありません。クラブはメンバーの出入りが多いので、たいていは年額パッケージのほうが合っています。年額パッケージのコードは1つにつき移行が6回、月額パッケージは1回できます。月額と年額の選び方は教育者向けパッケージは月額と年額のどちらがいい?で詳しく検討しました。ここでは、クラブ向けの実用的なルールを紹介します。
- コードは体験期間の後に配ります。最初の4週間は無料プロジェクトで進むので、コードは4週目の終わりに、メンバーが確定した生徒に渡しましょう。期間はコードを利用した日から始まります。早く配りすぎると、クラブをやめた生徒のところにコードが残ってしまいます。
- パッケージの数は正式なメンバーの人数で決めます。正式なメンバーが16人なら、10個入りの年額パッケージを2つ買うとコードが20個になります。16個をメンバーに、1個を自分のアカウントに使い、3個を年度の途中で入ってくる生徒のための予備にします。10個パックは5個パックより、生徒1人あたりの費用が約20%安くなります。国ごとの現在の価格は教育者向けパッケージの画面で確認できます。
- やめたメンバーのコードは移行します。学期の途中でやめたメンバーについては、マイコードの移行でコードを取り消します。残りの期間で新しいコードが作られるので、それを新しいメンバーに渡します。前のメンバーのプレミアムはその時点で終わるため、事前に伝えておきましょう。
- 透明性を保ちます。コードを利用したメンバーの名前、ユーザー名、メールアドレス、プロフィール写真は、コードを渡した顧問に共有されるので、誰がどのコードを使ったかがわかります。コードを配る前に、このことをメンバーと保護者に伝えてください。
- ストアのサブスクリプションを確認します。App StoreやGoogle Playで有効なプレミアムのサブスクリプションがあるメンバーは、コードを利用できません。サブスクリプションが終わってから渡せば、それまでコードは待っていてくれます。
- できないことも知っておきます。アプリには、メンバーのプロジェクトの進み具合を顧問に見せる管理画面も、課題を出す機能もありません。チームの状況は進捗ボードで、完成したプロジェクトは、メンバーがプロジェクトページの作りましたの印を見せることと記録テンプレートで確認します。
顧問のプロジェクト、そして発表会からフォーラムへ
クラブに独自のプロジェクト(たとえば学校の花壇用の土壌水分アラームや、何年もかけて改良してきたレース用ロボット)があるなら、顧問は学ぶ > フォーラム > 新しい投稿からチュートリアルカテゴリーでBlueGraysにシェアできます。回路の写真(最大5枚)を追加し、コードを追加でコードを貼り付け、使っている既成のプロジェクトや部品を添付します。投稿はアプリを使っている言語で公開されます。自動で翻訳されることはなく、プロジェクト一覧にも表示されませんが、シェアでリンクをクラブのグループに送れます。既成のプロジェクトも同じように、プロジェクトページのシェアで渡せます。メンバーはお気に入りで保存し、マイ工房 > お気に入りから開きます。この流れは自分のプロジェクトで授業をするで詳しく説明しました。同じ流れは発表会のよい目標にもなります。13週目に、学期中にいちばんよく記録されたプロジェクトをいくつか顧問のアカウントからフォーラムのチュートリアル投稿としてシェアすれば、チームは自分たちの作ったものがほかのユーザーの手引きにもなると実感できます。記録テンプレートの目標、接続、仕組み、部品リストの欄が、そのまま投稿の文章になります。
発表会の日:テーブルの配置、3分間のプレゼン、評価
発表会の会場は3つのエリアに分けます。展示テーブルエリア:1チームに1テーブル、前にA4のプロジェクトカード(プロジェクト名、ひと言の目標、部品リスト、簡単な「仕組み」の図)、後ろに延長コードを置きます。動かないプロジェクトは壁際に並べます。コースエリア:動くロボットのために、床に2 × 2メートルの範囲をテープで示し、障害物として段ボール箱をいくつか置きます。ライントレースロボットがあるなら、黒いテープでコースを作ります。ピットテーブル:予備の電池、予備のワイヤー、パソコン1台とピアメンターを置きます。壊れたプロジェクトは発表会から外れる代わりに、ここで修理します。どのテーブルにも必ずチームのメンバーを1人以上残し、ほかのメンバーは交代でほかのテーブルを見に行きます。来場者が何に触ってよいかをカードに書き(「センサーの前に手をかざしてください」)、ケーブルがテーブルから垂れ下がっていないか確認してください。各チームは下の3分間のテンプレートでプレゼンを準備します。来場者が入れ替わるたびに繰り返し、審査員が来たときは時間を計ります。
| 時間 | パート | 何を話す・見せる? | 話す人 |
|---|---|---|---|
| 0:00〜0:20 | つかみ | プロジェクトが解決する小さな問題:「暗い廊下を歩くと、明かりが自動でついたらどうでしょう?」 | チームリーダー |
| 0:20〜0:50 | ライブデモ | プロジェクトを動かし、来場者に何かを試してもらう | コード係 |
| 0:50〜1:40 | どう動く? | 感知・判断・動作:どのセンサーで、コードのどの判断で、どの出力か | 組み立て係 |
| 1:40〜2:20 | バグの話 | バグ記録にある問題と、その解決方法 | 読み上げ係 |
| 2:20〜2:45 | 次のステップ | 時間があれば加えたい機能 | チームリーダー |
| 2:45〜3:00 | 質問 | 「何か質問はありますか?」 | チーム全員 |
評価を競争にする必要はありません。目的は、各チームが学んだことを目に見える形にすることです。顧問、学校のほかの先生、ピアメンター1人で審査員を作り、審査員は各テーブルで5分ずつ過ごします。プレゼン3分、質問2分です。採点にはArduinoプロジェクト評価のルーブリックの記事にある6項目の表が使えます。回路の組み立て、コードと変更、理解と説明、デバッグの過程、記録と発表、整理とチームワークです。クラブに成績が付かない場合は、ルーブリックをフィードバックに使い、各チームによかった点を2つ、提案を1つ書いて渡しましょう。1位を1チームだけ決める代わりに、「いちばんためになるバグの話」「いちばんわかりやすいプレゼン」「いちばんきれいな配線」のような小さな賞をいくつか用意すると、プロジェクトが完全には動かなかったチームの努力も目に見えるようになります。来場者向けに、質問が1つだけのカードも置いておきましょう。「いちばん試してみたいプロジェクトはどれですか?」。このカードを見れば、翌年クラブを宣伝するときにどのプロジェクトを前面に出せばよいかがわかります。
やる気と継続:クラブを翌年につなぐ
- メンター制度:新しいメンバーには、最初の4週間、メンターを1人ずつ付けます。メンターは2年目のメンバーでも、基礎の週を早く終えた生徒でもかまいません。翌年には今年のメンバーがメンターになるので、クラブが毎年ゼロから始まることはありません。
- 小さな成功をこまめに:ボードの「完了」は、ミーティングの最後に1つずつひと言で紹介します。6週間何も動かないチームはやる気をなくします。段階的に動くプロジェクトを選ぶことが大切なのはそのためです。
- ミーティング以外での好奇心:希望するメンバーは、BlueGraysの今日のクイズで毎日数分ずつ進めたり、つまずいたことをフォーラムで質問したりできます。どれも必須ではありませんが、好奇心の強いメンバーにとってよい入り口になります。
- 途中の目標:10週目のプロトタイプの日は、発表会の前にチームに本当の締め切りを与えます。保護者会や科学週間など、学校に小さな発表の機会があれば、それもカレンダーに入れましょう。
- 引き継ぎファイル:学期の終わりに、フォルダーを1つまとめます。メンバー名簿と役割(学校の個人情報保護のルールに従って)、備品の点検結果と不足部品のリスト、各チームの記録テンプレートとバグ記録、14週間のカレンダーが実際にどう進んだか、うまくいったこととうまくいかなかったこと、翌年のメンター候補とプロジェクトのアイデアを入れます。クラブで教育者向けパッケージを使ったなら、マイコードにある未使用のコードもメモしておきましょう。有効期限がないので、翌年に持ち越せます。
- 2年目の計画:新しいメンバーは再び基礎の週から始めます。2年目のメンバーはメンターになり、無線での操作、ディスプレイを使うプロジェクト、ESP32でのWi-Fiなど、より難しいプロジェクトに進みます。
ロボットクラブを始めるには、1年目こそ手間がかかりますが、2年目からは役割、カレンダー、引き継ぎファイルが仕事の大部分を担ってくれます。始めるのに大きな予算や専門家のチームは必要ありません。部屋が1つ、番号を付けたキットがいくつか、1枚の計画書、そして最初のミーティングで動くロボットがあれば十分です。基礎の週に使える無料のプロジェクトや、チームプロジェクト向けのステップごとの回路図とコードを見てみたい場合は、BlueGraysアプリの発見 › プロジェクトから始められます。
よくある質問
学校でロボットクラブを始めるにはどうすればいいですか?
まず顧問の先生、決まった部屋と時間、チームごとに1セットのキット、学校の管理職の承認をそろえて準備します。次に、動くロボットでクラブを宣伝し、2回の体験ミーティングの後にメンバーを確定します。学期は最初の4週間を基礎プロジェクト、その後をチームプロジェクトにあてて計画し、発表会で締めくくります。
ロボットクラブには何人の生徒が必要ですか?
定員はキットの数で決まります。3〜4人のチームごとにキットを1セット用意する計画にしましょう。キットが6セットあれば、18〜24人のメンバーが無理なく活動できます。5人以上のチームでは見ているだけの生徒が出るので、申し込みが多すぎる場合はキャンセル待ちにするか、2つ目のグループを作るほうがうまくいきます。
ロボットクラブの最初のミーティングでは何をしますか?
60分の最初のミーティングには、自己紹介、クラブの目的とカレンダー、動くロボットを使った短いデモ、全員が自分の手で作るミニプロジェクトを入れましょう。LEDの点滅のように20分でできるプロジェクトで十分です。最後の10分で役割を紹介し、キットを数えて終わります。
ロボットクラブを始めるにはいくらかかりますか?
金額はキットの数と仕入れ先によって変わるので、まず項目を書き出しましょう。チームのキット、収納ボックス、予備部品、USBケーブル、次にロボットのシャーシとモーター、消耗品、発表会の材料です。最初の4項目は必須です。ロボットの部品はチームプロジェクトの前に、発表会の材料は学期末にそろえれば間に合います。学校の予算が足りない場合は、1枚のクラブ計画書を添えて支援を頼めます。
ロボットクラブではどんなプロジェクトができますか?
最初の数週間は、LED、信号機、ボタン、光センサー、ブザー、距離センサーなどの基本的なプロジェクトを扱います。チームプロジェクトには、障害物を避けるロボット、Bluetooth操作の車、駐車センサー、サーボで動く自動開閉のふたなど、6週間に収まるものを選びましょう。段階的に動かせるかどうかが、選ぶときの大切な基準です。
ロボットクラブでBlueGraysをどう使えますか?
基礎の週のプロジェクトは、ブロックとコードも含めてアプリで無料です。プレミアムのチームプロジェクトには、顧問が教育者向けパッケージでコードを購入してメンバーに配れます。年額パッケージのコードは1つにつき6回移行できるので、やめたメンバーの残りの期間を新しいメンバーに移せます。顧問は、クラブ独自のプロジェクトを学ぶ > フォーラムでチュートリアル投稿としてシェアすることもできます。
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LEDの点滅
電子工作の第一歩は、1個のLEDを点けたり消したりすることです。Arduinoで短い間隔で点灯と消灯を繰り返すと、LEDが素早く点滅します。ボードが光を制御する仕組みを最もシンプルな形で確かめ、これから取り組むプロジェクトの基礎を身につけます。

信号機
毎日道路で見かける信号機の小さな模型です。赤が2秒点灯し、黄が一瞬点灯した後、緑が2秒点灯します。その後、再び黄を経て赤に戻り、この動作を繰り返します。3個のLEDを順番に点けたり消したりしながら、タイミングの組み立て方を学びます。

ボタンでLEDを点灯(押している間のみ)
呼び鈴のように、押している間は点灯し、離すと消灯します。Arduinoはボタンの状態を常に読み取り、押されている間はLEDを点灯させ、指を離した瞬間に消灯させます。このシンプルな回路で、ボードが外部からの操作を検知する仕組みを学べます。

LDRで作る常夜灯
暗くなると自動で点灯し、朝になると消灯する小さな常夜灯です。光センサーが部屋の明るさを測定し、Arduinoが十分に暗くなったらLEDを点灯させ、明るくなったら消灯させます。街灯が夕方になると自動で点灯する仕組みも理解できます。

HC-SR04で距離を測定(シリアルモニタ表示)
HC-SR04センサーは、コウモリが暗闇で道を見つけるのと同じ仕組みで動作します。人には聞こえない音を出し、その反響を捉えて前方の物体までの距離を測ります。Arduinoは0.5秒ごとに距離をセンチメートル単位でコンピューターの画面に表示し、3〜100センチメートルの測定値を示します。駐車センサーや障害物を避けるロボットなどのプロジェクトの基礎になります。

サーボモーターの使い方
小型サーボモーターのアームが、一方の端、中央、もう一方の端の3つの位置へ順番に回り、それぞれの位置で2秒間止まります。Arduinoが保持する角度をモーターに指示すると、モーターはその位置まで動いて止まります。ロボットアームや自動開閉するふたが動く仕組みを学べます。

障害物回避ロボット
自分で進む道を見つける、賢い車を作ってみませんか?障害物回避ロボットは、前面の超音波センサーで周囲を常に調べます。障害物を見つけると停止し、サーボモーターで左右を確認して、最も障害物の少ない方向を選んで進みます。自動運転の基礎を学ぶのにぴったりの入門プロジェクトです。

L298Nで作るBluetooth操作の車
スマートフォンをリモコンにして、自作のロボットカーを操作できます。ArduinoはBluetoothモジュールを通じてスマートフォンのリモコンアプリから指令を受け取り、モータードライバーで車輪を回します。前進、後退、左右や斜めへの移動ができ、速度もスマートフォンから調整できます。停止ボタンを押すと、短いブレーキ動作でモーターがすぐに止まります。
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この回路をスマホでステップごとに作る
回路図、コード、部品リストを1つの画面で確認できます。Arduino、ESP32、Picoのプロジェクトを200件以上用意しています。

